齋藤健一の交通安全講座

『ミスをすれば死ぬ!』

90歳老婆が起こした死亡事故

 え~、この事故は、死亡人数は一名ですが、けっこうワイドショーとか夕方のニュース番組で大々的に取り上げられた事故ですね。

 

 で、この事故迄、老人共の供述、所謂言い訳としては、「車がないと出かけられない」という言葉が羅列されていました。

 

 しかし、この老婆が住んでいたのは、神奈川県の茅ヶ崎市という、めっちゃ公共交通機関が整備されて、ほぼ全ての地域に、割と直ぐにスーパーもあるしコンビニもあるという、老人が生活していくにはめっちゃ恵まれた地域だったのです。

 

 なのに、この老婆は、運転が好きだからという理由で、90歳になっても、まだ運転を続けていました。

 

 で、結構以前から、「もう私も運転免許を返納しなくちゃならないかねぇ」とほざいていたらしい。しかし、それは単なる方便だったのです。本音では、心の声としては、運転免許を返納する気なんてさらさらなかったのです。

 

 だって、その証拠に、この老婆は運転が好きで運転していたのだから。運転が嫌いだったけど、生活の為に仕方がなく運転していた訳ではない。

 

 で、死亡事故を起こした現場は、茅ヶ崎駅のすぐ近くの、国道一号線が走るところですね。めっちゃ主要な道路の箇所ですね。動脈みたいな場所です。

 

 で、赤信号だと認識していたのに、歩行者がまだ横断歩道を渡っていないから、つい進んでしまった、と供述したらしい。

 

 俺はここを何度も走っているので分かるが、対岸、つまり横断歩道ゾーンを抜け出るまで、相当な距離がある。だから、赤信号なのに進んだら、横から青信号になった方の車が突っ込んでくるし、また、手前の横断歩道と奥の横断歩道、二つの横断歩道を抜け出るまでは、相当な時間が掛かるのだ。

 

 きっと、この老婆は若い頃からずっと運転し続けてきたから、運転技術には自信があったのだろう。しかし、老いには誰も勝てません。

 

 で、絵みたいな技術なら、老体になっても、葛飾北斎みたいに、超高齢になっても続けられるよ。だって、瞬間的に判断しなくてもいいんだから。4分でも15分でも、熟考していいんだから。あんまりモタモタしていると絵具が乾くとかの問題はありますが。

 

 でも、車の運転というのは、瞬間的に、超高速に、パッとその場で瞬時に判断せねばならないことの連続なんだよなあ。で、もうね、老いた人間の頭脳では、その瞬間判断力が出来ないのよ。

 

 勿論、肉体面で年老いて、思うように脚や腕を動かせない、という問題もあるよ。でも、それ以上に、判断が遅くなるので、もう無理なの。

 

 この老婆も、赤信号だと認識していたのに、頭では分かっていたのに、でも、進んでしまったのだ。

 

 なんか、道路沿いのダイハツの看板がある車の修理工場に長年お世話になっていて、この日も、この修理工場に車を入れていたんだよな。なんかの御礼の品を届ける為みたいな話だったような。

 

 でも、この店は、敷地内で旋回できるような広い駐車スペースは全くない店舗なのだ。もう、修理の車庫の目の前が歩道で、そのすぐ前が国道一号線、という形の店舗なのです。だから、めっちゃ難しいの、車の出し入れが。勿論、俺は利用したことはないが、一目見て分かる、ここは難しいと。

 

 コインパーキングでも、激狭な、車の出し入れがめっちゃ難しいであろうコインパーキングもあれば、楽々余裕で駐車可能な広々としたコインパーキングもありますよね、あんな感じです。

 

 で、おまけに、神奈川県の茅ヶ崎市という、めっちゃ人通りの多い場所で、しかもめっちゃ人通りが多い時間帯だったのだろう。だって、店が開いている時間帯の出来事なのだから。

 

 マジでもうね、老人には運転は無理です。この老婆も、まだ45歳の時なら、赤信号なら、進まないという選択が出来ただろう。だが、もう、脳味噌がまともな判断が出来なくなっていたんだよな。無理もないよな、この脳は、既に90年以上も使用し続けているのだから。車で例えたら、走行距離90万キロの車体だからな。

 

 しかも、車体なら分解整備したり、部品交換したり、リビルト品で交換したりと、色々と出来るよ。でも、人間の脳味噌は、老化して劣化しているからといって、部品交換は無理です。たとえ頭蓋骨を切開して脳をむき出しにしたとしても、どこも、別のパーツと交換することは出来ません。だから、その年老いた脳味噌のまま、残りの人生を生きていくしかないの。

 

 だからね、おばあちゃん、てか老婆よ。マジで運転やめよ。まあ、田舎の、誰も通らないような道を走る田舎の老婆なら、まあ、たとえ暴走したとしても、誰かに当たることは、確率的に稀だと思う。

 

 ただ、マジで神奈川県とか東京都とか、人だらけだからな。

 

 昨日も、たったの数十キロの距離を、相模原のタイヤ買取業者の店舗に行く為に、道路を運転していたが、マジで混みまくっていたよ。神奈川県って、マジで人だらけなんだ。これが田舎だったら、数十キロなんて、三十分で到着だけど、俺が住む神奈川の場合、1時間45分位掛かりました。

 

 なので、この神奈川県とか東京都とかの、人だらけの地域で、生活に必要もないのに、車を運転し続けていると、マジで人間という[的(まと)]がうじゃうじゃそこら中にいるので、誰かに当てちゃうよ。

 

 縁日の射的なら、当たれば嬉しいが、車の運転中に誰かに当てるのは全然嬉しくはないからな。逆に警察に逮捕されて最悪だよ。はあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マジでいい加減にしとけよ、老人共!もしもお前が他人のお孫さんを轢き殺したり障害者にしたら、お前の孫も、お前の手で同じ目に遭わせられるのか?

 

 よく考えろ。