齋藤健一の交通安全講座

『ミスをすれば死ぬ!』

【自宅飯】とは?

 自宅飯とは、要するに、娑婆にいる人が、自由に、自宅で、調理するなり、買ってきた既成の食べ物を食べたりすることです。

 

 刑務所にいれば、どうしても、自由に食事は不可能だ。一応、税金で三食食べさせてくれるが、毎日、決まったメニューしか提供されない。三つのコースからどれかを選ぶ、という選択方式でもない。

 

 勿論、ホテルのブュッフェとか、バイキングみたいな方式は無理です。淡泊な、味付けの薄い食事が提供されるだけです。しかも、そんなに量はないらしい。

 

 「これは嫌いなので食べたくはない」という我儘も一切聞いてもらえない。なにしろ、犯罪者なのだから。お客さんではない。なので、刑務官も高圧的な態度で接するのだ。けっして、ホテルの宿泊客でも何でもないのだから。

 

 刑務所に服役している人間は、罪の償いをしているのだから、当然だ。

 

 そして、娑婆にいる人が飲食店に入って食事をしたり、ホテルに宿泊する時は、客が金を支払っているのだ。だから、お客さん扱いされるのだ。

 

 それに対して、刑務所に服役中の奴らは、犯罪者であり、金は一切支払わない立場だ。噂によると、囚人を一人刑務所内で養うのに、年間300万円程度の税金が掛かっているという。

 

 今、私は娑婆にいる。刑務所には一度も服役したことはないし、少年院にも入ったことはない。

 

 ただ、私は1981年生まれで、私が31歳の頃、福島県に除染の仕事で、半年位行ったことがあった。

 

 まあ、私が行った地区は、最初に福島県の楢葉町にあるJビレッジという場所にて登録して、ガラスバッジという登録証が出来上がるまで、およそ一か月掛かった。で、実際に労働した期間は四カ月半位だったかな。

 

 まあ、色々ありました。で、寮で暮らしたのだ。ちびまる子ちゃんのさくら家みたいな平屋建ての一軒家に、男が12人位、ぎゅうぎゅう詰めで暮らしていたのだ。

 

 普通の民家の和室、ありますよね。あの一室に、大人の男が4、5名布団を敷いて寝ていた、みたいな感じですね。

 

 ドラえもんののび太の部屋に、大人が四名で住んでいる、みたいな感じですね。心の落ち着く場所はありません。家の中、どこも男だらけの、凄い人口密度なんですから。気持ち悪いし、マジで嫌だ。

 

 私は、リアルに、押し入れに寝かされました。本当に。押し入れに布団を敷いて。リアルにドラえもんみたいな感じでした。まあ、その押し入れは、横幅は普通の押し入れのサイズでしたが、上方にスペースが若干あったので、そこに荷物は入れておりました。

 

 まあ、普通に押し入れで寝たら、床が落ちるよね。私は押し入れの床部分ではなく、中間部分で寝ていましたから。なので、崩落の危険がありました。でも、その平屋は、もう直ぐ取り壊すということで、自由に釘を打ってよい、ということだったので、寮の管理人さんと一緒に木材で補強した記憶がある。

 

 で、やっぱり、赤の他人同士で、ぎゅうぎゅう詰めで暮らすと、やはり皆、ストレスが溜まるのですよ。そんな暮らしをしたことがなくとも、分かるでしょ?大体、想像がつくでしょ?

 

 これは、善人とか悪人とか無関係です。善人も悪人も、すし詰め状態で暮らさせられたら、ストレスでおかしくなっちゃうだろうな。

 

 仕事の時間では、嫌な相手がいようとも、金の為に何とか我慢するよ、そりゃ。でも、それも、帰宅したらプライベートな時間があるから、リフレッシュして、リラックス出来るのだ。

 

 でも、除染の寮の場合、24時間ずっと一緒なのです。朝も一緒、出勤の車内でも一緒、昼は勿論仕事で一緒、帰宅時も車の中で一緒、夜の風呂の時間も一緒、食事も一緒、就寝中も一緒。おかしくなっちゃうね。

 

 で、風呂なんて、効率を優先させられて、男二人組で入浴になったからな。小さな浴室なのにさ。一人が浴槽に入っていたら、その横で、裸の男が体を洗っているという。プライバシーも何もあったものではない。で、そいつがとうとう、「ここは刑務所か」と発言して、トラブルになっていたよ。

 

 まあ、そんな感じで、トラブル続出で、一か月もしない内に、どんどん去っていきました。というよりも、寮の管理人や、その寮のビジネスを運営している人達に、強制退去を喰らったという訳ですね。

 

 まあ、運営者の方も、一人抜ける毎に寮費の徴収が減るので辛いのですが、それ以上に、あまりにも問題児というか、問題大人が多かったから、強制退去に至った次第です。

 

 まあ、余りにもトラブルが多発して、酒癖の悪い奴も多くて、普段からもそうだったが、酒が入ると余計に高圧的な態度を取る奴とか、しかも寮費を支払わずにトンズラする奴もいて、マジでこの世の地獄かよ?と思いました。

 

 まあ、勿論、スターリンの強制収容所とか、北朝鮮の強制労働施設の方が地獄なのは分かっているけどさ。でも、ここは日本だから。下を見ても仕方がない。人間、上を見て、上を目指さねばならないよ。

 

 しかも、地元民じゃねーから、結局、寮費を支払ったら、日当で一万円しか稼げなかったし。アホらしい。

 

 マジで、見知らぬ男共でぎゅうぎゅう詰めで暮らすと、トラブル続出ですよ。

 

 なんか、酒飲みの奴らが、最初の頃は仲良くやっていたが、次第に、てか、労働し出してからの、もう初日の夜辺りに、早速、トラブル発生ですよ。

 

 まあ、除染に来る奴らって、大体、碌でもないからな。俺も含めて。なので、礼儀とか、ない。酒に酔って、それで暴力沙汰とかな。普通、飲むとなると、居酒屋とかの店で飲んで、それで自宅では一人になってリラックス、というパターンが多いと思いますが、この場合、常に一緒なので、その場では楽しみながら飲んでも、結局、二時間後も三時間後も、狭い空間内に同じ顔触れなんですよ。

 

 気が狂っちゃうから。俺も絡まれたし。でも、自宅ではないので逃げ出せないしな。俺は神奈川県民だったが、神奈川県の自宅から通勤なんて出来ないので、そこで、辞めるまで暮らすしかなかった。

 

 で、なんかおっさんが別のおっさんに絡んで、それで暴力沙汰とか、暴言とかさ。加害者の方も、一人になれないので、ストレスだらけなんですよ。24時間、365日、ずっと一緒に暮らすなんて、無理っしょ。

 

 ぶっちゃけ、セクシーな本とかも見られないから。無理。プライバシーゼロ。トイレも、13人位いるのに、一か所しかねーから。洗面台も一か所だけたから。それで、朝なんて、その一台の洗面台の前で、あとトイレの前で、行列ですよ。マジで嫌だ。

 

 まあ、食事は、今夜はカレーだとしたら、カレーを食べました。まあ、刑務所とは違ったので、ある程度はリクエストは聞いてくれることもあったが、それも予算の範囲内だ。俺はこれが食べたい!とか、言えませんからね。無理です。

 

 まあ、それでも、休日は出かけて街中で食事とか出来ましたけど。ネットカフェにも行けたしな。いわき市の。除染現場は楢葉町でしたが。

 

 でも、囚人の場合は、服役中は、刑務所内の限られた地域しか移動できない。しかも、運動場にしても、決まった運動の時間以外は出てはならない。食事も、少し遅めで午後三時に食べたい!と言っても無理です。お客さんじゃねーからよ。犯罪者なんだわ、ムショにいる奴らは。

 

 だから、俺はそういう経験があるので、絶対に刑務所なんぞには入りたくはない。

 

 何の自由もないぞ。分かるだろ?実際に入ったことがなくとも、想像できるだろ?

 

 だから、ここでは、自宅で食べられる、自由な食事、間食のありがたさ、何でも選んで食べられるありがたみ、安いアイスを食べられる喜び等、それを実感して頂くように、私が自宅で食べた数々の食事をご紹介します。

 

 勿論、高級料理とかはないよ。そもそも、そんなに食事には拘らないし。美味しんぼの海原雄山じゃないんだから。

 

 でも、ここでは、【自由】を感じ取って頂きたい。

 

 その自由は、決して、当たり前ではないのだと、気付いてください。

 

 そして服役しなくてもいいように、安全運転に努めましょう。

 

 

 

 で、ハッキリ言うが、俺が体験した除染の時の話は、性格に問題がある人が多かったが、それでも、リアルな犯罪者はいなかったぞ。まあ、寮費を支払わずにトンズラしたおっさんは、窃盗罪になるんですかね?まあ、その程度の人ですよ、最悪でも。

 

 流石に、口論になった相手をナイフで刺すとか、そんな、ヤクザ映画の[孤狼の血]に出てくる悪人とか、[アウトレイジ]に出てくるような悪人はいなかったよ。多少、性格に問題がある奴らが多かった、というだけだ。

 

 でも、刑務所には、リアルな犯罪者がいるからな。交通事故における懲役半年とかの場合、関東民は市原刑務所に送られるらしい。まあ、市原刑務所レベルなら、居眠り運転で高校生を轢き殺してしまった、というジジイが服役していたりするらしい。

 

 勿論、居眠り運転で未来ある高校生を轢き殺すのは重罪なのですが、そいつの性格自体は普通のレベルだろう。しかし、危険運転致死傷罪で懲役20年とか食らうと、もうそいつは、市原刑務所には行けない。だって、市原刑務所って、せいぜい懲役数年レベルの囚人が送られる場所だから。

 

 なので、交通事故で懲役20年を喰らった犯罪者は、普通の刑務所に服役することになる。当然、そこには、リアル孤狼の血とか、リアルアウトレイジの皆さんがいらっしゃるわけよ。俺が除染の寮で出会った、少々性格に問題アリの方々とは、ヤバさのレベルが違うのよ。

 

 なので、まあ、食事が自由に選べないという苦痛以上に、そもそも平常心を保てるかどうか・・・生きられるかどうか・・・まあ、生存自体は出来るだろうなあ。だって、服役囚も、相手を殺したら、追加で懲役期間がうんと増すからな。流石にそれは嫌だろうから。

 

 まあ、刑務作業の賃金は時給10円レベルだし、周囲は男だらけの地獄だし、臭いし、女には触れられないし、自由に山とか海とか観光地とかに出かけられないし、リアル極悪人だらけだし、マジで、そんな所に行きたいのか?っつー話ですよ。

 

 だから、安全運転をしろよ。

 

 後悔先に立たず、だよ☆