2022年の10月、静岡県小山町の県道〔ふじあざみライン〕で、観光バスが横転し、乗客一名が死亡し、二十八名が重軽傷を負った事故がありました。
この事故で、過失致死傷に問われたのは、27歳男性のバス運転士でした。
この人は、別に悪人ではありませんでした。悪意があって、事故を起こした訳ではありませんでした。寧ろ、善人だったのだろう。
この男性運転士は、裁判の供述で、長くてクネクネして狭い下り坂を、エンジンブレーキが効きにくくなる四足ギアで下った理由を、こう述べた。
「低速ギアではバスが揺れる。乗客の乗り心地を考えたから」
で、エンジンブレーキを使わなかった結果、カーブが続く急勾配の下り坂でフットブレーキを多用したので、ブレーキが過熱し、効きにくくなった。
所謂〔フェード現象〕です。これは、長い下り坂で、エンジンブレーキを使わずに、フットブレーキのみで下って行った結果、たしか、ブレーキフルード内に気泡が発生して、フットブレーキが使えなくなる現象です。
いくら最新技術満載の最近製造された車だろうが、最新の高級車だろうが、現状、まだ、この現象の発生を抑止することは不可能だ。
故に、このフェード現象の発生を阻止する為には、素直にエンジンブレーキを使うしかない。
エンジンブレーキはご存じかな?たまに、車の運転免許証を所持しているのに、エンジンブレーキって何?というアホがいるのだ。まあ、VWに乗っている人でも、タイヤの溝がなくなるまで、ツルツルになるまで乗り続けるようなアホがいるからな。それは、事故でフォルクスワーゲンの車が横転して、タイヤが、ニュース映像に映って、溝が全くない、ツルツルの状態だったから、ネットで話題になったのだ。
要するに、外車に乗れるようなマダムとか金持ちでも、車に関する基礎的な知識の欠片もなく、日々、その車を運転しているケースが多々ある、ということです。
なので、クラウンとかBMW5シリーズとかに乗っている金持ちでも、「エンジンブレーキって何かな?」というアホがいるかもしれないのだ。
エンジンブレーキとは、長い下り坂で使用するものです。短い距離の下り坂なら、別に使わなくてもいいと思うが。しかし、地元の人間以外、その下り坂が、あとどのくらい続くのかなんて、知らないのだから、とりあえず、見知らぬ土地の下り坂に差し掛かったら、エンジンブレーキを使うのが良いのではないか。
私の車はトヨタのルーミーです。んで、ルーミーのエンジンブレーキは、二種類あったな、たしか。ほんの少しのエンジンブレーキがかかるのが、Sのポジションだったかな。んで、最大のエンジンブレーキがかかるのが、Bのポジションだったかな。
まあ、箱根の長い下り坂では、いつもBのポジションで下っています。エンジンブレーキを使用しても、ブレーキランプは点きません。が、それでいいんです。みんな知っているから。知らないあなたは、アホです。下り坂ではエンジンブレーキを使用する、これ、常識ですから。知らないあなたは非常識です。
まあ、あとは自主的にエンジンブレーキについて調べてください。私の拙い文章で説明するよりも、積極的に、あなた自ら調べた方がいいでしょ!
☆実際の富士あざみラインを走行したバスの様子。長い下り坂なのだから、フットブレーキのみならず、必ずエンジンブレーキを使用すべきだ!これは、なにもバスみたいな大質量の車のみならず、軽自動車でも普通乗用車でも、みんなそうです。
☆ルーミーの説明書に書かれているシフトポジションのページ。Sは【坂道走行】と書かれていて、Bは【急な下り坂走行】と書かれている。
要するに、少々の下り坂ならSでよいが、急な下り坂の場合は、必ずBのシフトポジションに切り替えて、エンジンブレーキを使用せよ!ということです。