譲ると言っても、見知らぬ土地で譲る場合、左に避けたら、そこにポッカリと空いた側溝があれば、譲ったが為に脱輪してしまう。
それは最悪なことだ。
だから俺は譲る時に、左側に何もないか、注視する。
箱根から熱海に下って行くクネクネ道も、蓋がない側溝がずっと続くんだよな。
あれ、怖いよ。脱輪したらどうするんだよ。
だから速度は出さないんだけどね。
スリップして脱輪したら馬鹿だから。
てか、この時の俺は、深夜に峠道を走っていたのか。
我ながら、よくもまあ、ここまで頑張ったものだ。
人間、その時、その時で、傾ける情熱の対象も異なるし、情熱の熱量も異なる。
今の俺がここまでしろと言われても、出来ないね。
今の俺は深夜ドライブは御免だ。
疲れるから。