齋藤健一の交通安全講座

『ミスをすれば死ぬ!』

ゆずりびと⑥

 譲るという行為は、究極の事故防止手段だ。

 

 俺は今迄一度も事故は起こしてはいない。

 

 凍結路面でスタッドレスでも止まれずに前の車にコツンと追突したことがあるだけで、深刻な事故なんて今迄一度も起こしたことはない。

 

 まあ、ヒヤッとしたことはあるけどね。

 

 なぜ数年の間に何度も事故を起こす者がいる一方で、俺や他のドライバーはずっと無事故・無違反なのかといえば、譲る精神が大いに関係していると思う。

 

 とにかく事故を起こしがちな人間というのは、行けるのなら行っちゃえ!というような強引さがあるんだ。

 

 それはギリギリのタイミングで、しかも何事も無ければ通過出来るタイミングというだけで、何か予期せぬ事態が発生したら、途端に事故に繋がる危ないタイミングということだ。

 

 だから譲る精神は安全運転に必須なのだ。

 

 そんなに急ぐなよ。大体お前は普段からけっこう怠けているくせに。孫正義みたいに分刻みのスケジュールでも何でもないだろうが!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は後続車に山道で追い立てられるのは嫌なので、割と直ぐに譲る。

 

 まあ、具体的には箱根の畑宿の箇所だが。

 

 直ぐに譲るとはいえ、あそこは狭くてクネクネした急な坂の道なので、安全に譲れる箇所が少ない。

 

 まあ、蕎麦屋の傍にあるバス停の膨らみで譲ったり、上った先にある茶屋みたいな箇所がストレートが続くからそこで譲ったりな。

 

 ただ何度も行っている道なので知っているが、見知らぬ土地だと、中々譲れるポイントが見つからないんだよな。

 

 発見しても、反応が遅くて直ぐに通り過ぎてしまう。

 

 まあ、安全に譲れなかったら、無理して譲る必要はない。

 

 安全運転が最優先だから。

 

 間近ってもカーブの箇所で譲るなよ。危険だからな。