齋藤健一の交通安全講座

『ミスをすれば死ぬ!』

車がぶつかる衝撃力

 さて、車がぶつかる衝撃というのは、とても大きな破壊をもたらすのは知っているだろう。しかし、それは何となく知っているというだけで、具体的な破壊力の数値は知らないままだろう。

 

 勿論、私も知りませんでした。でも、今、[交通の教則]という本を読んでいたら、為になりそうな知識が載っていたので、お知らせします。

 

 それは、ズバリ[衝撃力]というところです。まあ、その前のページに、[摩擦の力]という部分があって、あと[遠心力]というのもあります。まあ、ブレーキをかけて摩擦の力で車を止めるとか、カーブを曲がる時には遠心力が働くので、特に積み荷を沢山積んでいるトラックとかは注意しろよ!という内容です。

 

 まあ、それらは別に、体感として知っていることなので、特にここでは取り上げません。それよりも重要なことは、もしもぶつかった時に、果たしてどれ程の衝撃を受けるのか?ということでしょう。

 

 で、読んだら、こう書いてありました。なんか、交通事故時のダメージは、速度と重量に応じて大きくなるらしい。

 

 で、例えば、時速60キロでコンクリの壁に激突すれば、その衝撃力は、約14メートルの高さから地面に激突した衝撃と同様らしい。まあ、ビルの五階に相当する高さのようだ。

 

 ちなみに、時速40キロでコンクリの壁に激突すれば、高さ6メートルから車がアスファルトの地面に激突した時の衝撃と同じらしい。

 

 で、時速80キロで激突すれば、25メートルの高さから激突した時の衝撃と同様らしい。

 

 時速100キロで激突したら、高さ39メートルから自動車が落下して地面に激突した時の衝撃力と同様らしい。

 

 時速120キロで激突したならば、高さ56メートルから落下したのと同様らしい。

 

 で、なんか、速度の影響という項目で、このように書かれていました。

 

 制動距離、遠心力、衝撃力等は、全て速度の二乗に比例して大きくなると。つまり、速度が二倍になれば、制動距離、カーブで車の横滑りや横転させようと働く力、そして交通事故の大きさに関する衝撃力は、二倍になるのではなく、四倍になるという。

 

 まあ、つまり、物理の力を舐めるなよ!ということです。私は物理法則のことは何も知りませんけど。でも、体感として、感覚として、そうなるだろうな、ということは分かります。

 

 速度が速ければ速い程、激突時の力は強大になるというのは、感覚として分かります。だから、「俺は無敵だ!」みたいに勘違いして超高速でカーブに突っ込んで事故死する馬鹿な若者とか、毎年一定数いますけど、ハッキリ言って、死んでいる時点でお前は全然無敵じゃないから。

 

 そりゃ、お前の仲間内では、お前がリーダーで仲間に対して高圧的な態度で接していられるのかもしれない。しかし、ただの人間だから。多少筋肉質だからといって、そんな筋肉など、時速60キロでコンクリに激突した衝撃に対しては、殆ど無力なのですから。

 

 自分の無力さを、死亡してから、事故死した霊となってから気付くのではなく、生きている間に気付きましょう。そして、カーブの手前ではブレーキを踏んだり、カーブに差し掛かる前に速度調整して速度を落としてからカーブを曲がるとかしましょう。

 

 繰り返すが、お前は無敵ではない。たったの6mの高さから落下しても、人間なんて、下がコンクリやアスファルトだったら、死ぬ可能性があるんだから。つまり、6mの高さからの落下なんてのは、たったの時速40キロでの激突に相当するんだから。

 

 人間は弱いということに、早く気付け。死んだり障碍者になりたくなければ、早く安全運転に目覚めるんだ。